PDCAサイクルとは??
会社員の中で「PDCAサイクル」という言葉を聞いたことのない人はいないのではないでしょうか?
今回はPDCAサイクルを意識するだけではイノベーションをおこせない理由について紹介します。
まずはPDCAサイクルとは何かについて簡単に説明します。
【簡単に説明】Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)
PDCAサイクルとは「 Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善) 」を繰り返すことで個人の設定された目標を達成できるというものです。
PDCAサイクルを提唱したのは、品質管理の父といわれるW・エドワーズ・デミングです。
この方は1950年代にPDCAサイクルを提唱しています。
PDCAサイクルをざっくり説明すると、
まずPlanで目標などを達成する計画を立案します。
ここで大切なのは、この計画を目標を達成できるかどうかの仮説という意識が重要になります。
その計画をDoで実行します。
次にCheckで実行した内容を検証をします。
立てた計画を仮説という意識を持つことの重要性がここで出てきます。
計画通りに実行できなかった場合に「なぜこの仮説では失敗したのか?」の要因分析を行います。
要因分析でわかった課題や問題に対する完全を行い、もう一度計画を練るというものはPDCAサイクルとなります。
PDCAサイクルは計画を立てて、実行し、
うまくいかなかった原因を検証し、改善を行った上で、また計画を練るサイクルのことです。
PDCAサイクルではイノベーションが起きない理由
では今回の本題である、なぜPDCAサイクルではイノベーションが起きないのかについて考えていきましょう。
未だに企業の中ではPDCAサイクルというフレームワークのみで仕事の改善をしようというところもあるでしょう。
そういった企業ではまずイノベーションを起こせず、現状維持となっているのではないでしょうか?
スピードに欠ける
PDCAサイクルではイノベーションが起きない1つ目の理由は「スピードに欠ける」ということです。
PDCAサイクルは簡単にいえば、仮説検証を繰り返すということです。
仮説を立てて、実行して、要因分析して、改善してというサイクルはどんなに短くても3か月以上はかかるのではないでしょうか?
また仮説を上手に考えられないといつまでたってもうまくいく仮説にたどり着かないという問題点もPDCAサイクルにはあります。
ビジネスにおけるスピードは正義と言われるほど大切なものです。
近年ではビジネスのトレンドは1年で変わってしまうほど、賞味期限が短いものは多くなっています。
短いスパンで変わりゆく世界についていこうとしているにも関わらず、
時間がかかるPDCAサイクルというフレームワークを使用してもうまくいかないのは歴然でしょう。
PDCAサイクルではスピード感を出すことができないことが、イノベーションを起こせない要因となっているのです。
柔軟に対応することができない
2つ目の理由は「柔軟に対応することができない」ということです。
1つ目の理由のときには少し触れましたが、今の世の中は短いスパンで物事が変わっていきます。
それは少し先の未来でさえ予測できないほど不透明であるともいえます。
先行きがわからないということは置かれている状況も変わり続けるということです。
PDCAサイクルは結果を積み重ねることでいい結果を得ようというものです。
結果を積み重ねている間に状況がガラッと変わってしまっては今までの結果の意味がなくなります。
状況を変わり続ける現代において結果を積み重ねるPDCAサイクルはイノベーションを起こしにくいのです。
既存製品のブラッシュアップに向いている
最後はPDCAサイクルは「既存製品のブラッシュアップに向いている」ということです。
PDCAサイクルは前例のある既存製品や業務の改善に向いています。
なぜならそもそもPDCAサイクルは製造の品質改善のためのフレームワークだからです。
逆に新規製品のアイデアを形にしたり、イノベーションを起こす必要のある新規事業の参入などには向かないのです。
なぜなら仮説を立てるための要素を持っていないため、上手な仮説立てをすることができないからです。
既存の製品の品質や業務改善にPDCAサイクルを最適だが、新たに何かを作り出すことには向いていないのです。
PDCAサイクルを上手に使うためには??
ではPDCAサイクルはもう使えないフレームワークなのでしょうか?
PDCAサイクルを上手に使う方法について最後に紹介します。
目標を明確化しよう
PDCAサイクルを上手に使い方法の1つ目は「目標を明確化しよう」ということです。
何度も言いますが、PDCAサイクルは仮説検証を繰り返すことによって最もいい方法を導き出すフレームワークです。
意外と盲点なのが、何のためにPDCAサイクルを回しているかの目的を失ってしまうことです。
PDCAサイクルを最も使う場面はKPIを達成することや数値目標を達成することでしょう。
数字を達成することを目的にしていたはずなのにいつの間にか顧客満足度の向上を目的にしていたり、
目標が達成できない理由を他に探すためにPDCAサイクルを回すようなことはないでしょうか?
一番最初に決めた目標や目的をブラさないことがPDCAサイクルを上手に使えるコツといえるでしょう。
既存のものの改善に使おう
2つ目は「既存のものの改善に使おう」ということです。
PDCAサイクルは既存製品の品質改善のために作られたフレームワークです。
そのため既存製品や既存の業務、既存の事業に対してPDCAサイクルを使うことが重要です。
ここで意識すべきことは、PDCAサイクルは万能ではないということです。
どうしてもPDCAサイクルは有名なため、仕事をする上でとても大切なフレームワークと思っている人が多いでしょう。
しかしPDCAサイクルは新規には向きません。それを知っている人や理解している人は少ないのではないでしょうか?
それを知っているだけでもPDCAサイクルを上手に使いこなせるでしょう。
PDCAサイクルが悪いのではなく、上手に使えていないだけ!!
いかがでしたか?PDCAサイクルを使ってもどうしてもいい成果を得られないのは
PDCAサイクルを上手に使えていないだけです。
PDCAサイクルを上手に使うためにはPDCAサイクルに合った目的や目標を設定することが重要なのです。